続・オレ色眼鏡

「代行の 運ちゃん運転 荒すぎる」

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授業料の高騰

「さっけーさん、今夜飲みにでも行きませんかぁ?」

なんて新人の女の子に言われれば
ホイホイついていってしまうのが男というもので

金曜の夜は、まだ擦れてないうら若き乙女たちと飲みに行くことになった。


20歳そこらの女性に囲まれて飲むという夢のようなひととき。

そんな夢心地も
一次会の会計のときにはすっかり覚めてしまい、現実を突きつけられる。

そうだった。そううまい話があるわけがない。


ボクが入れた曲が流れる度に「懐かしい」という声が飛び交い
また、周りが歌う曲がほとんどわからないという
生き地獄のような二次会のカラオケも終わり

さぁ、帰ろうとしてるときに

背後から

「アドレス教えてくれませんか」
という女性の声。



sneg?

来てよかった。


顔に張り付くニヤケた表情を押し隠し、努めてクールな口調で云う。

「あっ、うん。いいよ」




やけに足取りが軽い帰り道
ポケットの中のケータイが鳴る。


「お疲れ様でした☆今日ゎ楽しかったデス!!」
↑これの100倍くらい賑やかなメールがさっきの女の子から来た。


慣れない絵文字をふんだんに使ったメールを返し、やりとりすること数回。


一通のメールで場は暗転する。



「ところで、○○さん(ボクの後輩♂)って彼女いるんですかねぇ?」


そうだった。そんなうまい話があるわけがなかった。
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フラグは立った

サラリーマンにはお馴染みの、金曜日特有の高揚感からか
単に前日寝るのが早かったというのもあるのかもしれないけれど
その日は妙に目覚めがよかった。


時計を見るとまだ6時前。

グッと伸びをして、大きな欠伸を一つ。

カーテンを開けて、部屋の窓を全開にする。


いい天気だ。



いつもならここでテレビを点けるのだけれど
その日は無意識にするその動作をしなかった。


"せっかく早起きしたんだし、ボーっとしてるのも勿体ない。"


手に持っていたリモコンをベッドに放り投げ、ジャージに着替える。


"よし、ジョギングに行こう!"



爽やかな風と太陽の光を全身で受けて走る。
時間にしたらほんの3、40分だったけど、結構いい汗をかいた。

ジョギングをしながら、すれ違うジョギンガーやイヌノサンパー達と挨拶を交わす。
実に気分のいいものだ。


帰ってきて、シャワーを浴びているときに思った。

"何か今日は素敵な一日なりそうな気がする。早起きは三文の得とも言うし。"



こんなに晴れやかな気分で家を出たのはいつぶりだろうか。


「何だ今日は、やけに挨拶の元気がいいじゃないか。
何かいいことがあったな。ははーん、彼女でもできたのか?」

「いやいや、そんなんじゃないですよ。ハハハ」

上司とのこんなしょうもないやり取りも今日は少し楽しい。



朝礼が終わり、さぁやるぞと席に戻ろうとすると
先輩がボクの肩を叩き、給湯室に来いと言う。

何だろうと思い、先輩の後について行くと
室内に入った彼は、無言のまま出し抜けにボクに向かって指を差す。

その指先から宙に延長線を引っ張り、それの指し示す方向を確認する。


ボクがその全てを理解したとき、先輩がようやく口を開いた。


「お前、社会の窓全開だぞ」




明日からは早起きしても二度寝しようと思う。

東アジア、勃興

今日は近くにある某大学の入学式が行われた。

11時半から毎年恒例の新入生の口座開設の手続きに行くことに。


大学に到着し昼食を済ました後、少し時間があったので構内を散策する。

無駄にテンションの高い男の子にキャッキャとはしゃぐ女の子。
そこかしこで上がる嬌声を聞きながら、楽しそうな彼・彼女たちを遠巻きに見る。


「懐かしいなぁ~」
と思ったのは一瞬で

「あっ、そうだった。オレ人嫌いだった」
すぐに自分の大学生活はそんなに華やかなものじゃなかったことを思い出す。


人は自分に都合の悪いことは忘れるというけど、これじゃ記憶の改竄だ。

あぁ、怖い怖い。



大学特有の浮ついた空気を堪能した後は、控え室に戻り会場を設営する。

会場といっても大学内の講義棟の一室を借りての簡単なもので
長机とパイプ椅子で講義室の前方に窓口を3つ作る。

その前に誘導係を、後ろには申込書の記載事項のチェック係を置く。


ボクはその窓口の受付の役だったのだけれど
受付が始まる少し前に、3つ上の先輩がボクとボクの1つ下の後輩に

「3人の内、一番カワイイ子が来るのは誰か勝負しようぜ」

「わかりました」

しょうもない、と思いながらも渋々了承する。

二人の顔を見ると、2者が2者とも自分が勝者だと考えているようだ。


"…バカだねぇ。勝つのはオレなのに"



かくして、午後0時30分。

自信過剰な3人のバカ野郎共の戦いが始まった。




…が、結論から先に言うと
ボクは途中で匙を投げた。

女性がボクのところに来なかったわけじゃない。

留学生がボクのところに殺到したのだ。




始まりは、唐突だった。

「次の方、どうぞ」

本来であれば、一人ずつ受付をするのだけれど
すらっとした長身で短髪の男の子とずんぐりした体躯のメガネをかけた男の子は
二人で一緒に席に座った。


「ア、ドーモ…コニチワ」

そう言って、彼らは外国人登録票を差し出してきた。



戦いのゴングが鳴らされた。



それからのボクは、24年間の人生で一番の社交性を発揮し
タイに一人旅に行ったときでもしなかったくらいのジェスチャーをした。


汗をかきかき、やっとの思いで彼ら二人を片付ける。


手続き終了後、彼らは満面の笑みでボクにこう言った。
「アリガトゴジャイマシタ」

負けじとボクも最高の笑顔でこう返す。
「どういたしまして。再見(ツァイチェン)」


…言い終えたときには彼らの背中しか見えなかった。
もう、これでもかってくらい完璧に無視された。




「次の方、どうぞ」

「…ア、コンニチワ」


ホントはわかっていた。

前の男の子二人の受付をしている後ろで
民族衣装を着た彼女の姿がチラチラ視界に入っていた。


信じたくなかっただけなのだ。



それからは悪循環だ。

留学生の相手をしているボクの姿を見て、また違う留学生が並ぶ。

ボクのところだけ留学生専門窓口みたいになっている。



途中、助けを求めるため隣の受付に座っている先輩の方に目を遣った。
こっちを見てニヤついている。


あぁ…。同級生だったら、殴ってる。





そんなこんなで、16時30分。どうにか戦いは終わった。


最後に受付をした、どう考えてもボクよりがんばってない女の子(日本人)から
「がんばってください!」
と言われた。



今日の蟹座は8位のはずだったのに。

ルサンチマンのひと

上司のたっての希望で
ボクが所属する部署では、歓迎会を兼ねて花見をすることになった。

もちろん本人の意思など関係なく
日本の行政でも採用されている上意下達という
極めて合理的な方式で、幹事に任命されたボクは
そのことについて、別の上司に上申することにした。


「…なるほど。いいんじゃない。
んで、いつやるの?」

「近くの公園は来週中は夜の間もライトアップされてるみたいなので
来週の水曜、仕事が終わった後ににやろうかと考えています」
と答える。

「そうかぁ、夜桜か。それはなかなか風情があっていいな~。
でも桜というのはね。
葉桜、しかもそれを太陽の下で見るのが一番キレイだと思うんだ。
さっけーくんはそうは思わないかい?」

「はぁ…。」


そんなもんかなぁと思いつつも
その場は返事を曖昧にして流した。




昨日は引越しの手伝いで駆り出された。

お前は今までどうやって生活をしていたんだってくらい
あまりに荷物の少ない副長を送り
お前は空間把握能力がないのかってくらい
間取りに対して、どう考えても荷物の多い副支店長を迎え
土曜の段階で引越しはあらかた片付いた。

あとは日曜日の午後に
うちの支店に配属された(可哀想な)新人の引越しを残すのみ。



そして、今日。

午前中にサッカーの試合をやっつけて、いそいそと現場に駆けつける。


まぁ、引越し自体は滞りなく終わったんだけど

サッカーの試合で負けた上に
新しく入ってくる彼が長身で男前ときた。



何だか無性に葉桜が見たくなった。

春色たけなわのころと

「ベチャッ!」

突如として響く炸裂音。


それは一瞬のことだった。


吹く風も柔らかで、春光うららかな昼下がり。

いつものように公園でサボタージュをしていると
ロシア軍が極秘で開発したといわれる最新鳥型無人爆撃機HATOが
不溶性尿酸爆弾を投下してきた。

気づいたときにはもう遅かった。

通称「bird's shit」と呼ばれるその爆弾はボクの肩に直撃した。


桜の花びらが舞い散る公園のベンチで
遠のく意識の中、ボクはこう叫んだんだ。


「クソッ!」



意識が戻ったボクは、急いで現状の把握に努める。
幸いにして外傷はひどくないようだ。

ただ、何故だろう心的ストレスが半端じゃない。
心の傷が心配だ。


「よし、帰ろう」

支店にはボクの帰りをみんなが待っている。




最後の気力を振り絞り、支店に辿りつく。

ドアを開けて最初に見えたのが
いつも優しい掃除のおばちゃんだった。


ボクの存在を認めたおばちゃんは
柔和な笑みを引っ込め、ほんの少しだけボクから距離を置いた。




今年の花粉は目にくるね。
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