続・オレ色眼鏡

「代行の 運ちゃん運転 荒すぎる」

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ファッキンミッドナイトショウ

今日は休肝日。

普段はグビッといくビールを今夜はググッと堪えて、ボクは夕食後ズズッとお茶を飲みながら読書に勤しんでいた。


夜中も1時を回った頃、雫井脩介の『犯人に告ぐ』を読み終え、その読書も一段落した。

お風呂でも入って寝ようかとベランダの窓を開け外の空気を吸いながら伸びをする。
外をやおら見遣ると、つい先刻までシトシトと降っていた雨は上がったようだ。

そういえば昨日今日と運動らしい運動も殆どしていない。
ちょうどいい。ちょっと汗でもかいてくるかと、軽くジョギングをすることにした。


時間にして30分といったところだったろうか。
家まであと5,600メートルという場所を走っていると、ふと前方から白い車が近づいてきた。
いや、最初はたしかにライトの明かりしか見えなかったのだけれど
街灯に照らされたその車両はすぐに見慣れた白いボディだとわかったのだ。

見つかったら面倒なことになると一瞬電柱の影に隠れようとしたが、どうやら向こうはこっちに気づいているらしい。
ゆっくりとしたスピードで近づいてきた車は、ボクの斜向かいの3メートルほどの位置に停車した。


パワーウィンドウが下がり、車内から聞き慣れた上司の声がした。


「あれ、さっけーだよな」

「…あっ、はい。お疲れ様です」

「お前、こんなとこで何してんだ」

「…いやぁ、ちょっとジョギングを」

「こんな時間にか」

「…はぁ、まぁ」

「…ふーん。まぁいいや、気をつけて帰れよ」


そう言うと半分ほど下ろされていたパワーウィンドウが上がり、白い車はボクの前から去っていった。



ちょっとめんどくさいことになったな、と思いながら残りの道を走り家に帰り着いた。
部屋で軽く柔軟をしていると、ベッドに置いていたケータイが鳴りだした。

画面を見ると、さっきの上司からだった。


「はい、もしもし」

上司は前置きもそこそこに、こう言い放った。
「お前大丈夫か。何か悩みでもあるんじゃないのか」


たしかに遅い時間ではあった。不審な行動だと言われても仕方がない。
さらには、一瞬隠れようとしたのがやましいことでもあるという風にとられたのかもしれない。

弁解しようと思えば頭の中にいくらでもことばはあった。
しかし、こういう状況での多弁は得てして誤解を招く
つまりは、言い訳すればするほどウソっぽくなるのをボクはこれまでの27年の経験でイヤというほど知っていた。

だから、ボクははっきりとした口調でこう言い放ったのだ。

「仕事もやりがいがありますし先輩方もいいひとたちばかりです。悩みもないし大丈夫です。信じてください!」


「…じゃあ最近の女性関係はどうだ、あと金銭関係とか?
何であの時間にあんなところを走ってたんだ。何か理由があるはずだ。正直に話しなさい」


そのあとボクは約15分間、頭の中にある弁解のことばをありったけ並べ続けた。



ボクは上司から全く信用されていないということをこの15分間でイヤというほど思い知ったのだ。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://kei0629.blog16.fc2.com/tb.php/389-76dcd5dc
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。