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続・オレ色眼鏡

「代行の 運ちゃん運転 荒すぎる」

眠れない夜のお供に



『快楽の動詞』
山田詠美
文春文庫

駄洒落の粛清を図る女、口が減らない男と口が増えない男、外見だけでなく言葉を受け止める能力まで「すきっと、さわやか」な男。
魅力ある登場人物が紡ぎだす奇妙なストーリーの数々。
男と女を描き出すのに文学は有効なのか。


●こんなん読んでみましたー。
今まで、宮部みゆきさん以外の女流作家さんの本は殆ど読んだことはなかったけど、これはなかなかおもしろかった。
でも、どんな本かと言われても“変な本”としか言いようがない。
不思議な短編集。

無知なボクには全てを理解することはできなかった。
この本はさらっと読み流す人と、読んだ後に深く考える人の2つに別れると思う。
ボクは前者。
後者の人は大変だろう。
行き着く先のない思考は堂々巡りを繰り返すに違いないから。

世の中には命がけのゲームが星の数ほどある

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『ゲームの名は誘拐』
東野圭吾
光文社文庫

広告代理店に勤める佐久間は、クライアントの副社長である
葛城によって、大手自動車会社のプロジェクトのメンバーから外されてしまう。

酔っ払った勢いで乗り込んだ葛城宅で、彼は家出してきた
葛城の娘と出くわした。

彼は葛城の鼻を明かすために
彼女は葛城の金を手に入れるために
二人は狂言誘拐を思いつく。

そして、ゲームの幕は上がった。


●この人はホントに引き出しの多い人だなぁと思う。
読む作品読む作品タッチが違う。

まぁ、相変わらず最後はうまくまとめられたなと。
いろんなところに伏線があったから
ひょっとして、最初のプロジェクト潰しから
もうゲームは始まってしまったのかなんて思ってしまう。

長くないし、会話自体もテンポがいいのでスラスラ読めます。
会話はB級アメリカ映画を見てるみたいな
軽~いノリなわけですが。

ちょっとあっさりしすぎてるような気もするけど、
その辺のセリフの違和感さえ気にならなければ
読んでみるのもいいんではないんでしょうか。

『白夜行』とか『秘密』みたいなのを期待している人は
遠慮しときなはれ。

死神は午前九時にやって来る

『13階段』
高野和明
講談社文庫

樹原は東京拘置所の死刑囚舎房に収監されてから
一度だけ死神の足音を聞いたことがあった。

次はいつだ。処刑されるのは自分なのか。
身に覚えのない罪と死刑への恐怖に彼は今日も苛まれていた。

「死刑囚の冤罪を晴らす」
刑務官の南郷と傷害致死の前科を持つ三上。
二人は樹原の「階段」という記憶を手がかりに調査を始める。


●死刑制度と冤罪。刑務官と保護観察中の青年のコンビ。
ズルい。もうこれは設定勝ち。
おもしろくないわけがない。

扱っているテーマがテーマだけに全体的に雰囲気は重たい。
けれど、それが作品に緊張感を持たせている。
プロットもしっかりしているので読み応えもある。

ただ、個人的には南郷が三上を助手に使うという
偶然(詳細を書くとネタバレになってしまうので…)が
出来すぎている気がしないでもない。
あと、後半が少し駆け足になってしまったのも少し残念。

今作品は何でも映画にもなっていて、
高野氏は映画『13階段』の出来には満足していないらしい。
そりゃそうだ。こんなの簡単に映像化できるわけがないわな。
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